ワールドプロセッサー

ある日立ち寄った酒場にて
無精髭の物売りと出会う 物憂げに柄袋から
山ほどのガラクタ取り出した
どれが欲しいかとそいつは言う
水に食料 金品 ナイフ
煩わしそうに客が見てる
満足気にそいつは出ていく

そうして貰ったボトル水に
書いてあった短い注意書き
「保管の際はお気をつけください
泥棒に盗まれないように」
かくいうそいつも泥棒で
奪った飲み水をくれただけ
かくいう僕さえ盗人で
ここにはそういう奴しかいねえ

遠い街の旅人がいつの間にやら
過ちだらけの全てを
盗んでくれると願っている

   世界を咎め立て 世界を赦して
   世界を語って 世界を見せられ
   世界を手に入れ 世界を失くして
   世界を信じて 世界を裏切れ

神の教えを説いた男を
睨んで愚痴吐いた彼女の墓
それはとうとう建てられず終い
逆らった奴から指名手配
けれど同情じゃないが実際、
従わなきゃ世間に殺される
プロレタリアートにブルジョアジー
社会性に長けた奴が報われる

昔母がよく読んでくれた
草臥れた絵本を思い出した
戦い争いが無くなって
全てが欠落した故郷で
別段、動かぬ紛争地帯
怪我人も何も居なかったし
何不自由ない暮らしぶり
けど大人の目だけは死んでいた

遠い街の爆撃がいつの間にやら
過ちだらけの全てを
消し飛ばすんだと信じている

   世界に咎められ 世界に赦され
   世界に語られ 世界に見捨てられ
   世界に奪われ 世界に拒まれ
   世界に潰され 世界に流離え

敗北したから勝利を知った
切り抜けたからこその窮地
唄われて初めて詞と成った
死んだから認められた命
何の結実も貰えずに
引き換えに歩かされっぱなし
何時だって僕ら、生きている
何時だって僕ら、生きている

   世界で夢見て 世界で打ち拉がれ
   世界で果て見て 世界で笑って
   斯くして世界は、世界はこれだけ

   世界はそれだけ 世界はそれだけ

UBIQUITOUS

ソロプロジェクト、それだけの世界をプッシュするサイトです。ブログみたいな記事や歌詞を主に載せていきます。

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