放火犯の懺悔
間違った教育。間違った接待。間違った言語。間違った音楽。間違った愛憎。間違った世界。
私達は抗う。私達は世界に抗う。
これから、何時何時でも、疑念と憎悪に満ちたその抵抗運動、つまり心臓の活動を止める事はない。
しかし結局それは自分を擁護するという本質と矛盾した特攻的なものでしかないと感付く。
貴女が私にくれたものは、「こんな愚者にはならない」という嫌悪だけだった。
間違いと、間違いと、間違いだけで形成された、この世に生として構築された神の思し召しのみが正しい奴らがいる。
そうだ、あやつらだ。
自分の抵抗が無意義な事を知った民主主義者(デモクラット)が善策だ、とあやつらに屈服するから、あやつらはついぞ間違いに触れもせず、自らのそれを善だと信じ、つけ上がるのです。
私は、宵闇に澄む家々も、駅前で座り込む青年のスプルース製も、目障りなのぼり旗も、その他諸々、恨み辛みの篭った部分的な世界も、あやつらの骸も、全てを燃やします。
燃やして、全部燃やして、貴方様の元へ返上します。貴方様が不遇にも間違って産み落としてしまった創造物を、燃やし、貴方様への信仰の意を捧げます。
もちろん、こんな、私めも一緒に、燃やそうと思います。
でたらめだけで成立している私を。
贖罪への恐怖からではありません。
ただ、貴方様の元へ。ただ、貴方様の元へ。
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